2月26日 日曜日、夫と一緒に近所の動物病院へ行き、
コニクにAVIDのマイクロチップ装着と
狂犬病ワクチン第1回目の接種を受けさせてきた。
病院での詳細をご報告する前に、
予約電話決行までの私の心配性な徹底振りなど、ちょいと説明をば。
ISO規格ではない、香港が採用するAVIDオリジナルマイクロチップでも
成田の検疫所で読み取りは可能だということは、
すでに成田第
2検疫所へ電話をして確認してあったが、
念には念を入れ、成田第
1検疫所にもメールにて問い合わせ。
こちらでも電話での回答と同じく、
AVIDの読み取り機があるので大丈夫、
今までのところ、問題なく読み取ることができている、
という心強いお返事をいただいた。
マイクロチップはこれで安心できたが、
いざ予約!という段階になると、
今度は狂犬病のワクチンが心配でたまらない。
私はワクチンの副反応というものにとても強い恐怖感を抱いているからだ。
狂犬病ワクチンの接種により、ショック反応を起こして
愛するペットが亡くなってしまったという悲しい実例は、明らかに存在する。
ワクチンの必要性を否定しているわけではない。
しかし、ワクチンには少なからずリスクが伴っているのだ。
ワクチンの安全性を問いただせば果てしがないが、
ハッキリと言えることは、
ご老体のコニクに狂犬病ワクチンを打つというのは
私にとって、ものすごく不安なことだ、ということである。
最後の最後まで悩んだが、狂犬病ワクチンを受けぬ以上、
コニクの日本帰国の準備はいつまでたっても始まらないわけで、
私たちがコニクの最期のときまで、
今と変らず香港での生活を続けているという確証はどこにもなく、
覚悟を決め、動物病院へ最終確認&予約の電話をした。
香港の狂犬病ワクチンの有効免疫期間は3年。
ワクチンの名前は「Rabisin」
猫に接種しても問題はない。
診察室への付き添いはOK。
ワクチン前に健診と尿検査を一緒にしてもらう。
これらを電話の向こうのおばちゃんに確認したあと、
「それでは明日の2時に!」ということで予約完了。
期日は明日。いよいよだ…
私はその日も遅くまで、手落ちはないかと準備に精を出していた。
農水省動物検疫所のホームページでプリントしておいた
ペットを海外から日本へ入国させるための
「マニュアル書」計9枚を最終チェック。
コニク健診に備え、腎臓や肝臓など、病院で使いそうな単語を書き出し、
病院での流れを想像しながら、医師に伝えることになるであろう文章を
英語で書き連ね、イングリッシュ台本片手にレッツスピーキング!
そんな私をよそに、
この日出張から香港に戻ってきたばかりだった夫は早々就寝。
翌朝の当日を迎え、起きてからものん気に
大河ドラマ『功名が辻』のビデオを眺めている。
ちゃんと準備しといてよ!と私が言うと、
夫は愛読書である『貿易英語入門』をそそくさと読み始めた。
近からず遠からずなその反応。
貿易英語が動物病院でどれだけ役に立つというのだ。
マイペースな夫に私はだんだんイライライラ…!
現在1時30分。病院予約時間の30分前。
今頃になって、プリントして持って行きたいWebページが出現した。
まだギリギリ間に合うぞと思い、印刷ボタンをクリックしたが
パソコンの調子が悪くてなかなかちゃんと印刷できない。
何度やっても文字が的外れにちょん切れる…
私の
発狂ダイナマイトが、ついにこのとき点火した。
このおんぼろパソコンめっ!! おかげで抜かりが出たわい。
のん気な夫のお下がりパソコンなだけに、
その怒りの矛先はそのまま夫へと瞬間移動し大爆発

私は突然夫にものすごい暴言を吐き散らし、
わざわざ寝室まで行ってふとんを壁にぶち当て、
ゴミ袋を床下に叩きつけては、ギャーギャー叫び声をあげる
大狂人と化したのだった。
身の置き場をなくして小さくなった夫は、しずしずとコニクをかばんに入れ始めた。
こうしてアホ夫妻は、そのまま病院へと出発したわけである。
ガンガン勇み足で先を急ぐ私。
そのあとをしょんぼりしながら、我が夫がついてくる。
コニクの入ったかばんを抱えながら…
そもそも、この発狂がまずかった…
すでに私は冷静ではない。
コニクのための
「病院大作戦」を、夫と二人でちゃんと練ってさえいれば…
今考えればそう思う。
午後1時55分。予約時間5分前に病院到着。
予約制だからすんなり診てもらえるのかと思いきや
なかなかの混雑で40分ほど待機した。
「マイケェ〜ル?」診察室から一人の助手が顔を出し、名前を呼んだ。
実は、これがコニクの本名。
マイケルというのが正式名で、コニクっていうのは私のつけたあだ名である。
名前が呼ばれ、いざ診察室へ。
診察室へ入る際に、
「ハロー!」とビビリながら私は小さく挨拶をしたが、
多分私の声が聞こえなかったのだろう、
ここの医師とその助手は二人でなにやらボソボソ話しこんでいた。
私は、挨拶のできない人間は絶対に信用しない。
どんなに人柄のよさそうな顔をしていても、どんなに優しい言葉を述べようとも、
挨拶のできぬ人間には大事な何かが欠けている、というのが
私の揺るぎない持論である。
私は、音量が足りなかったに決まっている自分の小さな「ハロー」を棚に上げ、
一方的に、ここの医師は挨拶もできない人間なのだ、という
自分勝手なレッテルをこの病院へ貼り付けた。
この第一印象が、まさに致命的ともなる悪印象を私の心のなかへと植え付け、
私の心は、不安と緊張も手伝い、固く閉ざされてしまったのである。
ここの医師は米国人だか英人だかわからぬが、
とにかく、英語が母国語な外国人。
ちなみにこの医師の名前はコニクと同じ
マイケル。
「おや?このコニクちゃんは僕と同じ名前なんだね

」なんていう
楽しい会話のキャッチボールもありかな?なんて想像していた私の予想を
見事この医師は裏切り、まったくにこりともしない。
医師の外見は典型的なアメリカ人体型。
お腹がでっぷりしていて、ほっぺたは
アンパンマン。
体格のよい人物は、温和でよい印象を与えるのが常だと思うが、
この医師は、無駄な肉は顔にも腹回りにも余りあるほどついているくせに
私たちに振りまく愛想はみじんもないらしい。
一方、このマイケル先生の横に付き添う香港人の助手は、
非常に気さくな感じで、彼は、医師のいう言葉を、
わかりやすい英語で私たちに通訳するという立場を
合わせ担っているようだった。
シンプルかつ、スローな英語と、広東語の筆記。
そして、パントマイムでもするかのような
芸人並みのジェスチャーを交えて、いろいろと説明してくれる。
しかし、私には、それが素直によろこべない。
入室の際の第一印象が悪かっために、親切極まりないこの助手も、
人を小馬鹿にしているようにしか思えない。
大きく口を開けて笑みをこぼす彼の姿は、好意的なもののはずなのに、
その歯の表面にびっしりと染み付いた
黒カビのような汚ればかりが
やけに目についてしまう。
ろくに歯も磨いていないのだろう…
この助手は一生懸命、私たちに迫真のジェスチャーを披露して
問いかけていたが、彼が説明している間も、
医師は、まったくにこりともせず、私たちの顔を見もしない。
多少なりとも自分自身の言葉で飼い主に説明しようという気持ちなど
この医師にはつゆもないらしく、直接助手へ語り、
助手を介して私たちに伝わることなど、その3分の1程度だ。
まぁ、私たちがネイティブに英語を理解できない以上、
これは仕方のないことではあるが…

私はこの日、海外からペットを日本に入国させるための
必要な準備手順を記した
「マニュアル書」の英訳版を、病院へ持参していった。
農水省動物検疫所のホームページからプリントしておいたものだ。
自宅で、その要所要所に赤ペンでアンダーラインを引いておき、
病院で、その部分を見せながら、
「マイクロチップをまず最初に入れ、それから狂犬病ワクチンを打ち、
その後、証明書に記入してほしい」
と言うつもりだった。
ところが、私がこのセリフを途中までしゃべっているのにも関わらず、
医師と助手はそれを制し、
香港のマイクロチップだけでは、日本には入国できない、
といったことを主張してきたのだ。
この日のために用意していた私のイングリッシュ台本は、
予期せぬ圧力により、最初の1行で早くもお蔵入りとなり、
頭のなかはあまりのショックですっかりまっしろになってしまった。
自分たちの病院には、
日本へ犬を連れて行ったことのある香港人のクライアントが
今現在も通院している。
その香港人は日本語が話せるし、
正しい手順をちゃんと知っているから、
その人物と連絡をとって確認しろ!
歯にカビを生やした気のよい助手と、
その横でどっしり椅子に腰をかけたアンパンマンがそう言った。
私は今回の予約をとる以前に、初・イングリッシュテレフォンの時点で、
電話のおばちゃんからこのクライアントのことを紹介してもらっていたし、
すでに連絡をとり話もきいていた。
本来なら、私はもうその人物と連絡をとった!と、主張すべきところなのだが、
私は医師と助手の言うクライアントというのが
さらに別人としてもう一人存在するのかと、なぜだかそう勘違いし、
特に何も言わず、黙っていた。
あとになって、同一人物なのだということがわかったわけだが…
その香港人のクライアントは、日本からISO規格のマイクロチップと
読み取り機を両方取り寄せて処置を行っている。
私だってそれは直接 話を聞いて知っていることだ。
そのうえで、成田の検疫所に電話をして
香港が採用するAVIDオリジナルのマイクロチップでも大丈夫か
問い合わせ、OKの確認を得た。
私は必死で、日本の空港には、AVIDの読み取り機がある、
ということを、声を振り絞って伝えたつもりだったのだが、
私の英語が通じていないのか、聞こえなかったのか、聞く気がないのか、
医師も助手も私の主張に対し何も答えてはくれない。
この病院の医師は、自分のクライアントと私の願い出た処置が違う
ということ自体が、もうすでに根本的な誤りだとでも言いたげな様子で、
私の持参した「マニュアル書」には一切目もふれず、
うちのクライアントが持ってきたマニュアルがあるから、
それをあとでコピーしてやると言う。
もちろん、この場に夫はいたが、夫自身がことの真相をちゃんと
把握していないのだから、ろくなフォローができるわけがない。
助手を通して聞く医師の質問に無難に答えるばかりで、
私の望む言葉を夫はまったく発さない。
日本の検疫所にはこの病院と同じ読み取り機があるということも、
日本に犬を連れてったという香港人のクライアントと私はすでに
連絡をとって話を聞いたということも、夫の留守中、苦労して得た情報はすべて、
私はメールで出張先の夫に伝えておいたはずなのに、
夫はそのことを全然覚えていないのか、
それとも、医師の言ってる英語がよくわかっていないのか、その両方なのか、
素直に医師側の言い分を聞いてるだけ。
冷静なのか、ただとぼけているだけなのかは知らないが、
もっと
ズバッ と言ってくれ!
結局医師は、香港のAVIDのマイクロチップを打っても、
日本に着いたらこれとはまた別に、
「IMAT I.D.」というマイクロチップが必要だとかなんとかいう
主張を曲げることはなかった。
だいたい、「IMAT I.D.」ってなんなんだ…
そう思いつつも、私はすでに自分自身が、
医師の言うことに聞く耳をもっていなかったので、
もうそれ以上聞くようなことはしなかった。
「IMAT I.D. Chip」 と医師は書いていたが、
ISO規格のマイクロチップのことだろうか?
そういえば、この病院では ISO(アイエスオー)という単語が
一度も聞こえてこなかったように思う。
そのまま、マイクロチップ&ワクチン前のコニクの健診が始まった。
持参しておいたコニクのおしっこを調べてもらったところ、
白血球の数値はわずかにオーバーだが、
今すぐ何とかしなければならないほどの大きな問題はないらしい。
私が腎臓は問題ないかと質問すると、再度尿の比重をテスト。
数値は許容範囲内とのこと。
触診にて、腎臓がすこし小さくなっているだろうと言われたが、
しかし、17歳という年齢からしてみれば、コニクはいたって健康といえるだろう。
これだけは、本当によかった。
コニクよ、えらいぞ!私はうれしい。。。

そしてついに、マイクロチップとワクチンの処置となったわけだが、
医師は私たちに対し何の前置きも相づちもなく、
おもむろに注射器を1本、コニクの背中側の首もとにブスリと打った。
これから何をするとか、この注射器はなんだとか、一切説明することなく。
私はびっくりして、それは何だ!と叫ぶと、「ワクチン」と助手が答える。
「ノーノー!! ファースト、マイクロチップ!!」私は激怒しながら、マイクロチップを先に打てと訴えたが、
助手と医師は口をそろえたかのように、
同時に打たなきゃダメだとかなんとか、どっちでも同じことだとかなんとか、
よくはわからないが、これもまたまったく相手にされず、
こんなやり取りをしてるうちにも、引き続きマイクロチップの注射が
プスッと有無を言わさず打ち込まれ、あっという間もなく
二つの注射器はその役目を終えたのだった。
まぁ、証明書上は、処置を行った日にちまでしか記載されないわけで、
時間単位での先行順位は明らかには表示されないし、
要は、狂犬病のワクチン接種時に
マイクロチップでの固体確認が行えたかどうか、ということが大事なのにすぎない。
しかし、飽くまでも、マイクロチップありきのワクチンなのだ!
マニュアルにだって、マイクロチップ装着後にワクチン! そう書いてある!
飼い主の心情を無視する、この医師のやり方は本当に許せない。
(証明書上問題なくても、やはり心配なので検疫所に連絡して相談。
とりあえず、まぁ大丈夫でしょうということだった。)マイクロチップとワクチンの処置を終え、
「フィニッシュ!」と医師が言った。
ちょっと、勝手に終わらせんな!
私は慌てて、この証明書に記入してほしい、と1枚の証明書を差し出した。
これもまた、農水省動物検疫所のホームページから
プリントして用意しておいたものだ。
ところが医師は、
香港政府の発行した証明書を取得してからでなければ駄目だ!と
あっ気なく私の懇願を打ち切りにし、
私が持参した
農林水産省推奨の証明書はまったく見向きもしてくれなかった。
結局、今回の処置でもらえたのは、
診察カードに張られた狂犬病ワクチンのシールだけ。
なにもかもが、私の予想とは異なり、腑に落ちないの極地だった。
いくら調べつくしても、
実際やってみないとどうなるかはわからないものだ。
それがよくわかった。
私は言いたくはなかったが、コニクを抱いて「サンキュー」と言い残し、
診察室の外へと向かうと、
今回は、医師にも助手にもちゃんと聞こえたらしく、
きちんと返事をしてくれた。
しかし、いまさらそんな挨拶をもらってももう遅い。
私のテンションは、すでに救いようもないほどに奈落のそこへと落ちていた。
私たちが診察室を出てから少し時間を置いて、助手が待合室へと姿を現した。
彼は今後の病院での必要処置を紙に箇条書きにしてくれたらしく、
自分のクライアントから得たというマニュアルのコピーを添えて、
私たちに今後の段取りの説明をしにやってきたのだ。
しかしこのとき、夫はちょうど外で電話中。
助手は、夫がいなきゃ話できないね、とでもいうような苦笑いを私に発すると、
私には何も言わずに、診察室へとそのまま戻っていってしまった。
このとき、私がどれだけ悔しかったか、みじめだったか、
わかってもらえるだろうか。
もちろん、助手からの説明は、夫婦二人そろって話を聞くべきだ。
それは当然のことだしよくわかっている。
彼の判断は正しいし、悪意などこれっぽっちもなかっただろう。
でも、私は自分の存在を、これほど無力に感じたことはない。
私じゃ話にならない、そう言われているようにしか思えなかった。
この日のために、私がどれだけ時間を費やし、
どれだけの勇気をふりしぼり準備したか。
そして、どれほどコニクの身を案じていたか。
それなのに、そんな私よりも、結局は、英語力がものを言うのだ。
コニクのために大したこともせず、
出かけ間際までのんきに大河ドラマのビデオを見ていたような
はなくそだんご夫のほうが、私よりもずっと優先されたような気がした。
被害妄想と言っていただいて結構!
そう感じてしまったのだからしかたがない。
夫がはなくそなら、私はイジケ虫のふんころがしである。
夫が電話を終えると、それを見計らったように助手がそばにやってきて、
紙に箇条書きにした今後の病院での手順を説明してきた。
その紙を見ると、
1ヵ月後にワクチン接種
「must!(必ず!)」とある。
確かに、2回目のワクチンは1回目から最短で30日後から可能だし、
2回目の接種は帰国には必要不可欠だ。
しかし、3年間有効な香港での狂犬病ワクチンを、
いとも簡単に1ヶ月後と言いのけるその頭が腹にたつ。
診察中、コニクの年齢を聞いて、旅行は慎重に!水をたっぷりと!とかなんとか
言っておきながら、ワクチン接種に関するからだへの負担やリスクなど
なんとも思っていないようなその言いっぷりが、
なんとも合理主義的で偽善者ぶっていて虫ずが走る。
私が腹立ちながら、2回目の接種日などまだ決めていない!と言うと、
助手はキョトンとする。
夫が、まだ帰国する日は決まっていない、準備しているだけだ、
と丁寧に伝えると納得した模様。
さらに、この助手の書き出した手順を読むと、
相も変らず、マイクロチップは2つ必要、と書かれている。
香港で1個、日本で1個と。
またもや頭にきて、夫にこれはどういうことだと文句を言うと、
夫は温和極まりなく、低調に助手へと聞きにいった。
「香港のマイクロチップだけで大丈夫だということを、妻は日本に確認しています…」
といったようなことを夫は笑顔で言っていたが、
私は夫のその優しい口調がものすごく苛立たしく思え、
その中に割り込んで、助手に訴えた。
「日本政府は、香港のAVIDマイクロチップでOKだと言ったんだ!
日本の空港には、あんたのとこと同じ読み取り機があるのっ!
あたしゃ、日本政府に確認したんだよ!!」
(実際に確認したのは成田の検疫所。でも日本政府と言ったほうが説得力があるのでね)私のものすごい形相に助手はさすがに恐れ入った様子で、
うちのクライアントに電話して聞いてみる…とだけ答えた。
まだ言うか!この
カビっ歯野郎が!日本人が、日本にペットを連れて帰る。
その日本人が、日本に確認したと言っているのに、
ここのお医者さまとやらは、日本に犬を連れて行ったことがあるという
単なる一例にすぎない、一香港人クライアントの言うことのほうを信用するらしい。
家に帰って、助手からもらったそのクライアントの
正しいマニュアルとやらを
よく見てみたらば、私がプリントして持参して行ったマニュアルと
まったく同じものなのだった。
紙の大きさ、文字の大きさが違うだけ。
人を馬鹿にするにもほどがある。
夜になっても、悔しくて悔しくて涙があふれて眠れない。
これは、医師に対する悔しさでも、夫に対する悔しさでもない。
自分自身に対する悔し涙だ。
事細かに病院でのできごとを思い起こすと、
なぜあのときこう言わなかったのか、こう言ってやればよかったのに!と、
いまさらながら英語での表現が湧き水のごとく頭に浮かんでくる。
平常心でいられれば、ちゃんと自分の言いたいことが英語でも探せるのに、
いざとなると、緊張と興奮とで、何も気の利いた言葉がでてこない。
出てくるのは、わけのわからぬトンチンカンな途切れ途切れの英単語と
そんな自分に対する苛立ちばかり。
自分ひとりで勝手にてんぱり、
頭はまっしろ、息はつまり、足は宙を浮いている…
ふとんのなかで縮こまりながら、情けない思いでいっぱいで、
みじめな己の姿が何度も何度も頭をぐるぐる駆け回る。
翌朝は、泣きすぎてこんな顔だった。

また欝(うつ)にでもなるかしら、と思ったが、どっこい今はそんなに落ちていない。
ブログの記事として書くにあたり、冷静にこの日のことを思い返してみると、
結局はすべて、自分自身が、医師や助手に対して
心を閉ざしてしまったことに原因があるのだ、ということがよくわかった。
私は、自分の英語力のなさと肝っ玉の小ささを、
病院側や夫に責任転嫁してごまかしているだけだ。
あぁ、この記事はなんとも恥じるべき文章か… 負け犬の遠吠えに他ならない。
私こそが、卑しき自己主張の塊だった。
文句ばかり書き連ねるというのは、なんとも虚しい作業だ。
さんざん、この病院の医師や助手、
それに愛すべき夫に対してまで文句をつづってきたが、
書けば書くほど、自分のアホさ加減がよくわかる。
文句を言うのは容易いことだが、それで満足しているようじゃぁ おしまいだ。
つまらぬ意地や見栄など捨て、
自分から相手のほうへ歩み寄らねば、何も始まらない…。




いやぁ〜、長かったですねぇ〜。お疲れ様でした。。。
何はともあれ、とにかくコニクは
心配していた副反応を起こすようなことも無く
今まで通り、元気です。
コニクが無事なら、それだけで御の字なのだ。
それですべて良しとしよう! うん、うん。