2006年01月20日

最大許容角度45度

ええと、ブログタイトルの下にイラストを飾ってみました。
自分で言うのもなんですが、かなり気に入っております…
私の宝物になりそうです。



一昨日から首が寝違えてます。
首から肩から背中から脇のあたりまで筋が違っているようで
ヒジョ〜に痛い。
寝ればそのうち治るだろぉと思ってたのですが
寝るほどに痛くなるような…

今日起きたら、しびれるほどにムッチャクッチャ痛かったので
湿布を貼ってみました。
「寝違える」って結構痛いもんなんですよねぇ。
なんて言うか、筋のあいだに小骨が刺さってるような感じっていうんでしょうか。

うがいするのも一苦労です。
首をあげられる最大許容角度が45度なので、
普通にうがいをしようとするとダラリとこぼれてしまいます。
なので、アタマの根元あたりを手で押さえて固定して
ひざを使い、のけぞるように「ガラゴロガラ〜ッ」とうがいしてます。

neck.JPG

こんなふうに、とっても痛い「寝違える」なわけですけど、
そんなときの自分の動きってかなり奇妙。
物を拾うときとか、振り向くときとか、
顔の角度が一定のまま、しかも妙にスローモーションだから
なんかロボットみたいで笑えます…


posted by みこねこ at 18:17| Comment(4) | TrackBack(0) | イラストでアクシデント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月19日

みこねこならぬ みこガッパ

結婚前、コックとして働いていた頃、
私は円形脱毛症になったことがあります。
ある日、先輩に「ハゲ〜ッ」と呼ばれ、
そのときはただの冗談だと思い 聞き流していたのですが
数日後、家でなんとなく頭を触っていたら、

…ないのです。毛が…。

脳天にまさに10円玉、
いや500円玉ほどの穴がポッカリと開いていました。
こりゃぁ、ド・ビックリ!

まさか、自分が円形になるような
繊細な心の持ち主だとは思ってもいなかったし、
それほどストレスを抱えているという自覚もありませんでした。


自分が円形脱毛症だということを認識したせいかはわかりませんが
その日を境にどんどん増えていくハゲの穴…。

シャワー中に毛がボサボサと抜け落ちるとか、
朝起きたら枕元に大量の毛が落ちてるとか、
そんな恐ろしい光景はまったくないのですが
とにかく、どんどんハゲていくのです。
あれよあれよと言う間に、頭には10個以上のハゲ穴発生…
ふんわりショートヘアだった私の頭は
カッパ頭を通り越して、まさに水玉アタマと化していました。
雨で髪の毛がぺっちゃり濡れたりした日には、
かなり同情されたりしましたね。

とはいえ、今思えば当の本人わたくしは
それほど気にしていなかったように思います。
もちろん、早く治したいとは思ってましたが
帽子でアタマを隠したりなんてことは一度もしなかったし、
水玉アタマで平気でパチンコしたりしてました。

・ここではイラストを考慮して、カッパに扮してみました)

mikokappa1-1.JPG

まったく気にしていなかったと言えばもちろん嘘になりますが、
円形のことよりも、
当時は仕事のことでアタマがいっぱいだったのです。
仕事が楽しかったし、
しんどい反面、やる気もやりがいもありましたから。
店長には「帽子買ったろか〜」と気の毒そうによく言われましたけど。
そのたびに「風通しが大事ですからぁ〜、ハハハ〜」
なんて答えてました。

一方で、もちろん病院にも行ったわけですが、
この病院探しがまた大変でした。
最初に行ったとこはまるっきりのヤブって感じで。
ろくに話もせず、塗り薬をくれただけ。
とりあえずその薬は塗り続けたけど、良くなる気配がまったくしないので
次の病院へ。

ここで、アホな私はなんと、大学病院なんぞに行ってしまったのですよ。
紹介状なんかあるはずもなく、いきなり訪問。
大学病院がどういうとこなのかもまったくの無知だったし
どうしたらいいのかよくわからないので、
とりあえず、数ある受付カウンターの中から
誰も並んでいないところを選んで行きました。

小心者のくせにプライドの高い私は、できるだけ冷静を装い、
「あのぉ、円形脱毛症なんですけどぉ」と受付の女の人に言いました。
表情は変えず、別にどってことないのよ私はさ〜ってな感じでね。

すると受付の彼女は、思いっきり眉間にしわをよせ、
ものすごい迷惑そうな、馬鹿にしたような声でこう言ったのです。

「ぁ"あ"? えんけい〜?」

円形アタマがなんでうちに来んだよっ! 
…彼女の濁声がそう語っていました。

mikokappa1-2.JPG

あまりのショックと怒りで何も言えない私。
彼女はぶっきらぼうに、
○○番に行ってアレしてコレしてコレ書いて…とかなんとか、
一応説明してくれましたが、
こんな人間の指図など聞くわけもなく、
私は二度とこの大学病院に足を踏み入れることはありませんでした。

こういう一部の無神経で誠意のない人間が
善良なる医者や病院まで 印象を悪くさせるのであります。
それが世の常…


この腹立たしい経験を経て、私はようやく
最良の皮膚科病院をみつけることができました。
病院内はとても雰囲気がよく、
私がおそるおそる円形脱毛症を診察してもらえるかたずねると
受付のおばさんは、とても温かいまなざしで
「大丈夫ですからね」と答えてくれました。
先生もとっても気さくな人。親身に話を聞いて説明してくれます。

この病院に毎週一回通院し、
薬剤を浸した長い綿棒で、ハゲ穴の部分を じゅ〜っ と刺激してもらいました。
痛みはなく、チクチクっとした感じかな。

mikokappa1-3.JPG

自宅では朝晩、欠かさず塗り薬をヌリヌリ。
この治療はきっと効く…!私は確信しましたね。


その後、職場の人事異動で勤務先の店舗が変わり、
人間関係が変わったことも幸いしたのか
ついに!
我がハゲ穴にわずかな うぶ毛が生えてきたのです。
診察中に先生が
「おぉぉっ!うぶ毛が生えてるぞおぉぉぉぉぉ〜!」
と言ったときは本当にうれしかった。
先生も自分のことのように喜んでましたね。ホントいい人だったな。
うぶ毛さえ生えればもうこっちのもんです。生えてしまえば回復は早い…

mikokappa1-4.JPG

こうしてようやく、
みこガッパはみこねこに戻れたわけであります。
治るのに半年くらいかかったかな〜。よく覚えてない…

それから5年後、退職の際、
極悪料理長からものすごい陰湿ないじめを約3ヶ月ほど受けましたが、
ハゲませんでしたねぇ〜
またハゲるんじゃないかとヒヤヒヤしてましたが。
免疫ついたのかな。




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2005年11月29日

恐怖の発作

今朝、突然子宮の痛みで目が覚めました。
最初は「あぁ、生理がくるんだろうな」くらいの痛みだったのですが
どんどん痛みがひどくなり、いてもたってもいられずとりあえずトイレへ。
究極の下痢のような きゅううぅぅううぅう〜っ という痛みが
子宮でおきているような感じといえばわかっていただけるでしょうか…。

トイレへ行って良くなるわけもなく、
しまいにはあまりの痛みのせいか酸欠状態となり、
手足は冷たくなってくるし吐き気はするし
体中変なしびれでビリビリ、ガクガク。
頭んなかはチカチカ、ホント気を失う寸前って感じでした。

私はもともと生理痛は軽いほうなのですが、
今回のこの痛みは、重い人の生理痛を100万倍にしたような痛み。
まだ出産の経験はないけど、陣痛ってきっとこんな感じなんだろうなと
思うくらいのすさまじい苦しみでした。
痛いだけならまだいいのですが、酸欠状態はホント苦しい。
まさに地獄のくるしみです。

実はこの発作、3年ほど前にも一度なったことがあるんです。
そのときも痛みで真夜中に目を覚まし、トイレでひ〜ひ〜泣いていました。
当時は、同棲中だった夫が起きてきて声をかけてくれたので
だいぶ精神的に助かりましたが、今回は香港。しかも夫は中国に出張中。
一人でベットにうずくまり、
痛みと吐き気、酸欠の苦しみと心細さに必死で耐えるしかありません。

私がヒ〜ヒ〜フ〜ッ!と陣痛を耐える妊婦のようにもがいていたとき
隣の部屋ではコニクが朝のおしっこをしたようでした。
トイレの砂を蹴散らす音とともに「アオ〜ン、アオォォ〜ン」と
遠吠えをかますコニクねこ。
「コニクよ、主人は今 一大事なのだ…」と念じていると
痛みの間隔がしだいに和らぎ、
30分後、やっと恐怖の発作から逃れることができました。

発作.JPG

いやぁ、ホント苦しかった。
またいつか同じ苦しみが訪れるかもしれないと思うと怖いねぇ。
いったいなんなんだろコレ。
前々回の帰国時に婦人科で初めての内診も内視鏡検査もしたし
性病もバッチリ検査してすべて問題なしだったんだけど…。
精神的なものなのかな。
posted by みこねこ at 17:32| Comment(0) | TrackBack(0) | イラストでアクシデント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月20日

デンタルフロスとともに生きる。

私は歯磨きに物凄い時間を使う。

毎食後必ずすぐに歯磨き。特に夕食後の歯磨きには30分費やす。
まずは口をゆすぎ、水でぬらした歯ブラシで大雑把に歯の汚れを落とす。
そして歯磨き粉をつけ一本一本丁寧に磨く。 
シュコシュコシュコシュコ シュコシュコシュコシュコ
腕がぱんぱんになるまで磨く、磨く、磨く。

磨き終わったら口を軽くゆすぎ、
今度はデンタルフロスで歯の間をさらにシュコシュコする。

デンタルフロスとは、簡単に言ってしまえば糸みたいなもんだ。
小さなケースの中に糸が巻尺のようにおさまっており、
ガラガラガラと必要な分だけ糸を引っ張って切り取って使う。
使い方はいたって単純。
右手と左手の指先に糸の先端を軽く巻きつけてピーンと張り、
歯の間に滑り込ませてシュコシュコやるのである。

dental floss.JPG

歯間ブラシといったものもあるが、
あれだと本当に隙間のある歯にしか使えない。
デンタルフロスなら、一見隙間のないような歯にでも、
シュコシュコ引きながら歯の間にくいこませれば、
歯ぐきの付け根までうまく侵入させることができるのだ。

どんなに丁寧に歯ブラシで歯を磨いても、
フロスでシュコシュコするとまだカスが出てくることがある。
デンタルフロスは重要だ。
きちんと歯を磨いてるのに虫歯になるという人はぜひ試してほしい。


先日、いつものようにデンタルフロスで歯磨きのフィナーレを
シュコシュコしていたとき、ブチッと糸が切れてしまった。
そう、デンタルフロスはよく切れる。

特に私は入りそうもない歯の間にも無理やり
シュコシュコ入れるのでその頻度もかなり多い。
しかし、実はこの「無理やりシュコシュコ行為」は注意が必要である。

フロスがただ切れるだけならいいのだが、たいていは
歯の間に繊維を引っかからせて切れる。
つまり、歯の間にデンタルフロスの繊維が詰まった状態なわけだ。
これは結構焦る事件である。
無理やりシュコシュコ歯の間に通しているので、
楊枝や歯ブラシでは絶対にこの繊維を取り除くことはできない。
もう一度なんとか同じところにデンタルフロスを通して、
詰まった異物を一緒に引き抜くしかないのだ。

ところが、本当に隙間のほとんどないような歯の間だと
これすら不可能となる。
今まではかろうじて糸一本シュコシュコできていたのが、
繊維が詰まったことによりまったく糸の入る余地がないのだ。

これはかなりブルーになる。
なんともいえない歯の違和感。
歯医者で自分の歯にフィットしていない銀の詰め物を
無理やり押し込められたようなそんな感覚だ。

なんとかこの歯の間に取り残された異物を取り除こうと
楊枝でホジホジしたりデンタルフロスでもう一度シュコシュコしようと
試みたりしたが、繊維の詰まった歯間は微動だにしない。
何度やってもフロスはブチリと途中で切れてしまうし、
楊枝はボキリと折れ、挙句の果てには勢い余って歯茎につきささる始末。

私はほとんど発狂状態である。大量に流れ落ちる汗。
ぬおぉおぉおぉお〜 とか
ふんぬぅ〜っ とか叫び、
しまいにはなんで入んないんだ、このやろう!
鏡に映る大口開けた恐ろしい形相の自分に怒鳴りつけるのだった。

nuooo!!.JPG

30分の格闘が経過したが、結局歯の違和感を解消することはできず、
残ったのは洗面所でてんこ盛りになっているちぎれたデンタルフロスと
折れた楊枝、そして汗だくの体だけであった。

私は、歯に詰まったデンタルフロスの繊維と
一生をともにすることを余儀なくされたのである。

死ぬまでずっとこの異物とともに生きるのだ。
火葬場でともに焼かれるのだ。
…なんてふと思いながら、汗を流しに風呂場へと向かう私であった。



(後日の感想)

人間の順応性とはすばらしい。
当日は気になって気になって仕方がなかった歯間の異物感だったが、
翌日にはまったく気にならなくなってしまった。
まるでもともとそこに挟まっていたかのように。
未だにデンタルフロスは入り込めないままだが…


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posted by みこねこ at 18:20| Comment(4) | TrackBack(0) | イラストでアクシデント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月05日

突然の訪問者

本日、突然宅急便がきた。
通常は事前に、これから荷物を届けるという旨の電話が
かかってくるのだが、今回はなんの連絡もナシ。

香港のある印刷会社から、夫が仕事で発注した印刷物が
近々自宅に届くということは、夫から聞いて知っていたものの、
無連絡でくるとは思っていなかったので、突然の訪問に非常に焦った。

常日頃、
夫のはけなくなったトランクスに、のびきったタンクトップという
パジャマにも満たないような格好でくつろぎまくっている私。
即座に人様に会えるような姿ではないのである。

緊急事態のピンポンに、ドアののぞき穴からそろりと覗いてみると、
ちっちゃな男が片手に伝票らしきものを持って立っている。

夫の言っていた宅急便に違いない…
そう思った私は急いでタンクトップの上にTシャツ、
トランクスの上からショートパンツをはき、ドアを開けた。
しかし髪はボサボサ… まぁ仕方がない。

香港のマンションは玄関が二重扉になっているところが多い。
我が家もそうで、普通の木製ドアから10センチほど離れて
スライド式の黒い鉄格子がついている。
誰かが訪問にきたら、とりあえず木製ドアだけを開け、
相手が問題ない人物だとわかったら鉄格子を開いて対応するわけである。
心配ちゃんの私にはなかなかありがたい造りだ。

ドアを開けると、身長154センチの私と同じ程度の、
細っちょろい男が立っていた。鉄格子の黒い柵の向こう側で、
その小さな体には不釣合いにでかいふたつの目だけが
ギョロギョロと動いている。
私はとりあえず「ハロー」と挨拶した。
訪問者との対応時は、必ず「ハロー」で始める。
こちらが外国人であるということを相手に伝えるためだ。
でないと物凄いスピードの広東語で果てしなく捲くし立てられる。

私が香港人ではないとわかった配達のほそっちょ男は、
鉄格子の間から配達伝票を差し出してきた。
伝票を見て、それが夫の言っていた荷物に間違いないことを確認すると、
私は鉄格子をガチャガチャガチャンッと音をたてて開けた。

Delivery Boy.JPG

すると、ほそっちょ男が荷物をカートにのせたまま
土足で部屋の中に入ってきた。

香港は土足の国である。そしてそのほとんどが、
日本人が室内では靴を脱いで生活しているということを知らない。
いや、知ってはいるのかもしれないが、そこまで気が回らないのか、
平気な顔をして土足でズカズカと侵入してくるのだ。
私はその都度いちいち指摘するのも面倒なので、
ドアから2メートル程度の範囲ならいつも黙認しているのだが、
今回のこのほそっちょ男は、私の土足黙認許容範囲を逸脱した。

数少ない広東語ボキャブラリーを駆使して
「ニィドゥ ニィドゥ!(ここ ここ!)」と言っているのに、
親切心からなのだろうが、居間の中央近くまで
土足の足を侵入させて荷物を置き、
しかもテーブルの上に、ベラベラと何枚もの配達伝票やら
家までの地図やらを広げて何かを探しだした。
パソコンやノート、飲みかけの牛乳、そして描きかけのイラストなど、
私物で溢れかえっている我がテーブルの上でだ!

予想外の無断テーブル使用に憤慨した私は、せめて靴ぐらい脱げと、
「テイク オフ ユア シューズ!(靴脱げ!)」と言ってみた。
ところがほそっちょ男は全く英語がダメならしく、
ニヤリと薄ら笑いを浮かべるばかり。
再度、靴!靴!とジェスチャーつきでアピールしたが効果なし。

男は私のそんなイライラなど知る由もなく、
一枚の伝票を探し当て私に差し出すと、$250と書かれた部分をしきりに指差した。

何?!着払い? 
夫からそんな話など聞いてもいなかった私はかなり動揺した。
相手の求める支払いを素直に信じられるご時世ではない。
送り主側が払ってるんじゃないのか!ということを私は言いたかったのだが、
出てきた言葉は
「ペイ(pay)!ペペ…ペイ?ぺぺ… ノーペイ(No pay)!」であった。

英語のできる相手であっても伝わらないであろうこの不可解な
私の言葉に、ほそっちょ男もどうしたものかと困っている。
私はとにかく夫に確認の電話をしようと思い、
「ジャスト ア モーメント!(ちょっと待ってて!)」と
今度は正しい英語を言ったのだが、悲しいかな、
これすらこの配達人には通じないようだった。

仕方がないので、次は広東語で
「ディンワァ〜 ディンワァ〜 (電話!電話!)」と、
電話したいからちょっと待っててという意味で言ったのだが、
これまた全くうまく通じず、配達人自身が携帯でどこかに電話しだしてしまった。

こうして対応に戸惑っていると、
ますますこのギョロ目ほそっちょ配達人の土足が気になりだし、
電話中の配達人にしつこく、「テイクオフ シューズ!(脱げ〜!)」
「プリーズ テイク オフッ!(脱いでくれ〜!)」と
哀願に近い声で叫んだが、
この男は私の言うことを理解しようという気持ちなど全くないらしく、
微動だにしないのであった。

Take off !!.JPG

なんでもいいから、とにかく一度部屋から出て行ってくれ!
との思いでいっぱいだったのだが、どうにもできず、
私は居間の中央にずうずうしく立ちはだかる
ギョロ目ほそっちょ配達人の存在をあきらめるしかなかった。

この男が少しでも怪しい動きを見せやしないか、
私は一重まぶたの小さなおめめをジ〜ッと男に注ぎながら、
出張先の夫に電話をした。
配達人の土足侵入&テーブル無断使用に憤慨した
私のイライラを一身に受けた夫は、ごめんねとひたすらあやまり、
お金は支払って問題ないと私に告げた。

相変わらず居間の中央に土足で立ちつづけている配達人に、
私は「オッケーオッケー」と人差し指と親指で輪っかを作り、
これから支払います、と伝えた。

100ドル札2枚、20ドル札2枚、10ドルコイン1枚。
合計250ドル…。お金を受け取る間、ほそっちょ男は
何一つ言葉を発することなく、目も合わさず私に受領書を手渡すと、
うつむきながら無言で部屋の外へと出て行った。

「おいおい、ひと言ぐらいなんか言ってけよ」と思いながら、
ほそっちょ男の姿を細目で追う…
男は玄関の外にしゃがみこみ、地べたに受けとった金やら伝票やら
地図やらを広げ、それらを一生懸命リュックにしまっている。
私はドアを閉めに玄関まで行き、気分を害しながらも
ほそっちょ男に「サンキュー」とお礼の言葉を言った。

…にも関わらず、男は顔も上げずにただウンウンと頷き、
ひたすらごそごそとリュックに紙切れをしまいこんでいるのだった。
返事の返ってこない私のサンキューが、男の陰鬱な背中に悲しく消えてゆき、
鉄格子を閉めるガチャガチャチャという鋭い金属音と、
木製ドアのバタンと閉まる音だけが後に残ったのだった…


言葉が通じないのは仕方がないが、ならば誠意くらいみせろ!と言いたい。
私のサンキューがかわいそうじゃぁないかっ。
バイバイくらい言え!このやろうっ

…せめて友好の笑顔くらい見せてくれ。


対人恐怖症になりそうなみこねこ… 
しばらくはまた家猫状態が続きそうである。



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posted by みこねこ at 22:29| Comment(2) | TrackBack(0) | イラストでアクシデント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月03日

ドナルドおじさんの恐怖

幼い頃、マクドナルドのドナルドおじさんが心底恐ろしかった。

真っ白い顔ににゅるっ とした真っ赤な唇。
ひし形の目、触角のような弓状の一筆眉毛…
そしてこれらをさらに不気味に引き立たせるのが
黄色いオーバーオールと蛍光レッドのカーリーヘアだ。

ひとりで留守番しているときや、
お風呂で目をつぶって頭を洗っているとき、
そしてふとんで寝ているときなど、
ふすまの隙間やドアの裏から、
突然ぬっ と現れるような気がしてとても怖かった。
夢にまで登場してうなされたことも度々ある…


幼少の私が日々、ドナルドおじさん出現におびえていたとき、
ついに、我が家でその恐怖が現実のものとなった。

夜9時、
寝る時間をむかえた私は2階の自分の部屋へと上がり、
ふとんに入った。

私の部屋の正面には、階段につながる狭い廊下があり、
階段と廊下のちょうど境目にあたるところの天井に
ちいさな白熱灯がひとつついている。

真っ暗な中で眠るのが怖かった当時の私は、
母親に頼んで、この白熱灯を私が眠りにつく頃まで
つけっぱなしにしてもらっていた。

部屋のドアを全開にし、
ちいさな白熱灯の温かな明かりに安堵しながら目を閉じるのだ…


通常は30分程度で母の手によって消されるこの電気が、
なぜかこの日は一向に消される気配がない。

なかなか寝付けないまま、もう1時間以上がたっていた。
母は電気を消し忘れたまま、寝てしまったのかもしれない…


私は、ふとんから起き上がり、この電気を消そうと廊下に出た。
廊下の奥、階段の段差が始まる寸前のところに電気のスイッチがある。

私は立ち止まりスイッチに手をやると、
足元に続く木目調の茶色い階段に視線を落とした。

階段の先に見える階下の廊下は真っ暗で、
この階段だけが、
白熱灯のぼんやりとしたオレンジ色の妖しい光に包まれている…



その瞬間、  私は見た…!


階段の最下段に突如現れた
顔面真っ白なカーリーヘアの姿 を…

階下の闇と階段のオレンジ色が微妙に交わる空間のなかに、
異様なほど艶光りした真っ白い顔 が浮んでいる。
そしてその目元だけが不気味に黒い…


ひっ …!

私の体は一瞬にして凍りつき、息を呑んだ…

pack mom

このわずか数秒、恐怖の瞬間が全身を駆け巡るや否や、
この化け物は「あれっ?」と、どうにも聞き慣れた声を発した…

 

  である…


夜はお肌のお手入れが肝心…
真っ白いクリームで顔面パック中だった母が、
階段の電気を消しにやってきたのだった。

いやはや、さすがに親子。以心伝心。
身の毛もよだつ絶妙のスリラータイミングであった…


このドナルドの恐怖以降、
私の目の前にドナルドおじさんが出現することはなく、
無事今に至るわけだが、
やはりそれにしてもこのキャラクターは恐ろしい。

マクドナルドは一体なぜ、こんな気色悪いキャラクターに
店の看板を背負わせたのだろうか。
庶民の怖いもの見たさ的感覚を狙ったのだろうか。

確かに私も、怖い怖いと嘆きつつ、
鏡にむかってドナルドおじさんの顔マネをしては
「うひょ〜っ こわっ」とほくそ笑んでいた。

上まぶたと下まぶたを、親指と人差し指を使って上下に広げ、
ニンマリと笑えば、誰でもドナルドスマイルになれる…
Donald Smile !

一度見たら忘れられない、物凄い存在感を持つドナルドおじさん。
これがどうやって生み出されたのかはとても興味深い…
異色を放つこのドナルドおじさんも、
アメリカの子供たちにとっては、ミッキーマウス並みの
スター的存在なのだろうか。疑問は募るばかりだ…


というわけで、「マクドナルド」で検索してみたら、
ドナルドルーム なるホームページを発見した…


これは…


これは…  物 凄 く、 怖い!

またしても心臓が縮こまった。

サイトを開いた瞬間、真っ白な背景の中で、
うしろ姿の小さなドナルドおじさんが左右に揺れている…
もうこの時点で気味が悪い…

私が偽ドナルドの悪夢を思い出しながら、
画面上のポインタを何の気なしに移動させた瞬間、
ピュン ! という不気味な音と共に
画面中央のドナルドおじさんが突然動いた。
なんとも機敏に、リアルに動く…
動いて欲しくないというこちらの思いとは裏腹に
ドナルドスマイルがピコピコ反応しまくるのだ。


あぁ…
ドナルドおじさんの誕生エピソードを知りたかっただけなのに。

またもやドナルドおじさん出現の恐怖におびえることになるとは…


この恐怖をひとりで抱いているのはツライので、
 勇気のある方はぜひこのホームページへ行ってみてください。 
 悪夢を共有しましょう。うなされても私を責めないように…
 ドナルドルーム
 http://www.mcdonalds.co.jp/donaldroom/
あ、今見たら出だしの動きが変わってる…
どうやら日替わりするらしいぞ。うしろ姿バージョンがいちばん怖い…
posted by みこねこ at 03:01| Comment(2) | TrackBack(0) | イラストでアクシデント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月31日

ほぉらぁねぇおじさん

学生の頃、一時期スロットにハマっていた。
3つそろったときのフィーバーっぷりがたまらなく快感で、
「目押し」もろくにできないのに、毎日のように通っては
恐ろしいほどの金額を平気でつぎこんでいた。

ある日、バイトまでの空き時間を埋めようと、スロットをやりに行った。
所持金は6千円…

今はどうなのか知らないが、スロットには千円札しか使えない。
スロット台には、それぞれ横や上に千円札を入れるところがついていて、
そこにお札を入れると千円分のメダルが ジャラジャラ〜ッ
心地よい音とともに出てくる。

千円札のない者は両替機でくずさなければならない。
両替機は店のところどころに置かれているのだが、
スロットに夢中になっているときに
いちいちそこまで歩いていくのはなかなか面倒な行動で、
あまり何度も両替しに席を立つと、
「おいおい、もうやめとけよ……」 という周りの客からの
声にならない念術 のようなものを感じたりする。

そう、ギャンブルは引き際が肝心。
両替という行為は常に「やるかやめるか」の葛藤が伴うものなのだ。

changer

くりかえすが、私の所持金は6千円
円札枚に5千円札が枚。
その日もいつものように千円ぶんの微々たるメダルは
あっという間になくなった。
さすがに千円ぽっちでやめる気にはなれない。

私は5千円札を千円札に両替しようと席を立ち、
両替機に誰も並んでいないのを見てホッとした。

こんなふうに思うのは私だけかもしれないが、
両替機に並ぶのはなんともバツが悪い。

「あなたも出てないのね、私もなのよ」という
互いの暗黙の語らいが聞こえてくる。
同じ人物と2回以上両替機で遭遇したものなら、
これまたホントにこっぱずかしいものである たらーっ(汗)


私は無人の両替機にむかい、貴重な5千円札を挿入口へ入れた。


「ウィィィィ〜ン…」 弱々しい音。


5千円札が吸い込まれ千円札が受け取り口から枚出てくる……

はずがなんと!
枚だけしか出てこないではないか!

5千円を両替しにきて、千円に減額されるとはっ!!
こんなことがありえるのか!

私は訳がわからず、ただただ焦るばかり。
とにかく店員に言わなければ…!

私は近くを通りかかった50代くらいの
わりと背の高いおじさん店員に助けを求めた。

「あのぉ〜
 5千円札入れたのに千円しか出てこないんですけど……」

不安げな私。


えぇえっ?!
そのおじさんは驚愕の声を上げ、不振そうにその千円札をみつめた。


「本当に5千円札入れたんですか?」


「はい」


「本当に5千円?」


「はい…」


「う〜ん、おかしいねぇ。何かの間違いじゃないのかなぁ」

おじさんは明らかに疑っているようだ。
しかしここで引き下がるわけにはいかない。


「でも確かに5千円札を入れたんですよ!」 くり返す私。


「もちろんあなたがウソをついているなんて思っていませんよ。
 ただ何か勘違いがあったんじゃないかと言ってるんです。
 つまり千円札を5千円札だと
勘違いしたんじゃないかと……
 なんせ相手は機械ですからねぇ… 
おじさんの口調は優しいものだったが、その言葉には強い信念があるようだった。


私は最初に6千円持ってたんです!千円札1枚と5千円札1枚。
 千円使い終わったんで、5千円両替しにきたんですよ!
 両替する前にきちんと確認してます!間違えるわけないですよ!!」

私は細かく説明したが、おじさんは屈する気配を見せない。


「そうですかぁ、でもねぇ……」
おじさんはどうしたものかと返事に困っている。


「ホントーに5千円入れたんです!絶対にっ!」
私は必死に訴えつづけた。


そうだっひらめき それじゃぁ、もう一度やってみましょうか!
 その千円札を両替機に入れてみましょうよっ 

おじさんは「これぞナイスアイデア」と言わんばかりのご様子である。


なんだか嫌な予感……。

おじさんは有無を言わさず私の千円札をとりあげると、
両替機の挿入口へと差し込んだ。


「ウィィィィ〜ン……」 千円札が両替機の中へと消えて行く…



……嫌な予感は当たった。

ひと呼吸の間をおいて、
その両替機は挿入口から50センチほど下にある受け取り口へと、
当たり前のように千円札を吐き出した。
「千円は千円だよん」とでも言っているかのように。

おじさんは出てきた千円札をぴらりと手のひらにのせると、
ビックリするほどつやのあるいい声でこう言った。


「ほぉらぁねぇ るんるん


くっ… なんという屈辱的ひとこと!
おじさんの声は、
まるで幼い子供に手品でも見せているかのような
そんな優越感にあふれていた。
ちょっとおどけた調子がなおさら腹立たしい。


今思えば、千円両替機に千円札を入れれば
千円札しか出てこないのは当たり前である。
そんなことが、
私が入れたのが5千円札ではないという証明になど
なるはずかないのだ。

だいたいどうして千円両替機が、
不必要な千円札の侵入を拒むことなく受け入れるのか!
ウィィィ〜ンって逆流するべきではないのか!
くそっ、何もかもおかしい……


しかし、動揺していた私には
そんなあたりまえの発想に行き着く余裕などまったくなかった。
私が何も言えないでいると、
おじさんは「じゃぁ、もう一度やるよぉ」とまたもやおどけた調子で、
冷静を装いながら千円札を両替機に入れた。


「ウィィィィィ〜ン……」


千円札が吸い込まれて行く…
じっと見守る私とおじさん。

…またしても受け取り口から出てくる千円札…


「ほぉらぁねぇ るんるん


おじさんは計算していたかのように、さっきとまったく同じ反応をしてみせた。
しかも今度は肩まですくめて……。

私は完全に敗北感 でいっぱいだった。

黙り込む私を横目に、
おじさんはこの作業を何度も何度もくりかえしてみせた。


ウィィィィ〜ン……


「ほぉらぁねぇ るんるん


ウィィィィ〜ン……


「ほぉらぁねぇ るんるん


ウィィィィ〜ン……


「ほぉらぁ……」


horane-ojisan

「もぉええっちゅうんじゃぁあぁぁぁあっ!!」
……どんなにツッコミたかったことか……

とりあえずこのマヌケなやりとりでは
一向に埒があかないので、私はひとつの提案をした。

閉店後に売上金額を計算したとき、もし誤差が生じていたら、
私の言い分を認めて差額をかえしてくれ、という
非常にまともな提案である。

しかし私はこの時点でもうほとんどあきらめていた。
売り上げの計算などしょっちゅう誤差があるに違いないし、
おじさんがこの約束を守ってくれるとは思えなかったからだ。

あぁ、本当に5千円札だったのに……。
ちくしょ〜!!二度とくるか、こんな店!
私は胸にかたくそう誓い、とぼとぼとバイトに向かったのであった……


ところがっ天は私を見放さなかった!
翌日きちんと家に電話がきたのである。

あいにく私は留守で母が代わりに出たのだが、
確かに4千円売り上げが多かった、申し訳ない、
 すぐに返すので店に来ていただきたい
とのことだったらしい。


私は電話に出られなかったことが心底くやしかった。
もし出ていたら、間違いなくこう言ってやったのに!
「ほぉらぁねぇ」ってね。

posted by みこねこ at 02:11| Comment(4) | TrackBack(2) | イラストでアクシデント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月17日

クラミジア騒動 <長編>

先月4月上旬に日本に一時帰国した。
夫は1週間、私は3週間の滞在。
それ以前にも帰国したことはあったが、
ふたりそろっての帰国は香港にきて以来これが初めてである。

今回の帰国にはひとつの大きな目的があった。
それは産婦人科で内診を受けることである。

妊娠しているわけではない。
結婚して2年。私たちにはまだ子供はいない……

しかし! そのときがついに!
ついにせまっているのだ。

今年の秋、
今住んでいるタイポーのマンションを引越す予定なのだが、
この引越しを終えたら、
私たちはやっと念願の子づくりを開始する!決定ムード

常日頃心配性の私は、自分のからだが子供をつくっても
ホントーに問題がないかどうか、
きちんと確認しておかなければ!と熱い思いに燃えていた。ダッシュ(走り出すさま)

これはいわば 妊娠下準備内診なのである!

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posted by みこねこ at 07:54| Comment(9) | TrackBack(1) | イラストでアクシデント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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